営業メールとは、メールを使った営業活動のことです。電話や訪問による営業活動に比べて手間とコストを抑えて、効率よく売り上げアップが目指せます。
ただし、最大限に効果を発揮するためには、メールの文面や送信時間など、押さえるべきポイントがいくつかあります。そこで今回は、成功する営業メールについて、くわしく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
開封率を上げるコツ
せっかく営業メールを送ったとしても、開封されないと次のステップに進むことはできません。開封率を上げるためのポイントを2つ紹介します。
アピールポイントが見つかりやすい件名にする
営業メールは開封されないと、次につながりにくくなってしまいます。メールの開封率を上げるためには、件名を工夫することが大切です。
アメリカのソフトウェア企業が行った調査によると、受信者の約半数が件名を見てメールを確認するかどうか判断しています。実際に、メールの件名を変えただけで、開封率が1.6倍まで向上したというデータもあります。
メールの件名をどのように書けばよいかわからないという方は「4Uの原則」を意識してみましょう。4Uの原則とは「Urgent(緊急性)」「Unique(独自性)」「Ultra-specific(超具体的)」「Useful(有益性)」の頭文字を取っており、メールマーケティングで開封率を上げるための基本的原則です。これらをタイトルに取り入れることで、メールの開封率が格段と向上します。
メールの受信者にとって、有益な情報が伝わるように意識して、件名を作成しましょう。
メールが開封されやすい時間帯に送信する
営業メールは、電話と違って好きなタイミングでチェックできますが、だからといっていつ送ってもよいというわけではありません。社内メールを自身のスマートフォンでチェックする方も多いため、深夜や早朝などに送信するとトラブルにつながる恐れもあります。
少なくとも、企業の業務時間内に送るようにしましょう。平日の日中であれば問題ありません。
なお、メールの開封率が高いと言われている時間帯は「8時~(業務開始直後)」「13時~(昼休み明け)」「16時~(終業直前)」の3つです。メールチェックされにくいタイミングは避けたほうがよいでしょう。メールの受信から4時間が経過すると、開封率が5%以下にまで低下するともいわれているため、できれば開封率が高い時間帯を狙って送信するようにしましょう。
営業メールの本文の作り方
営業メールからアポイントや商談につなげるためには、本文に工夫する必要があります。本文を作成する際のポイントを3つ紹介します。
ポイントをひとつに絞り込む
メールには多くの情報を盛り込みたいと思いがちですが、伝えたいことはひとつに絞り込むことが重要です。文面に複数の情報が記載されていると、受け手は何を伝えたいのかわからず、返信率が低下してしまう恐れがあります。
たとえば「新サービスの提案」と「セミナー参加者募集」の2つの要件があった場合、ひとつのメールで伝えるのではなく、2通に分けて送るとよいでしょう。
簡潔な文章を心がける
営業メールの本文は、簡潔な文章を心がけましょう。だらだらと長文で書くのではなく、要点が理解しやすいように箇条書きや改行を活用するとよいでしょう。
改行の位置は、全角で20~30文字が目安と言われています。40~120文字を目安に段落を分けることで、直感的に読みやすくなります。また、箇条書きを取り入れることで、読み手が要点を理解しやすくなります。
ただし、相手がスマートフォンでメールをチェックする場合には、この限りではありません。PCとスマートフォンとでは、表示のされ方が異なるため、改行や段落を入れると読みづらくなる可能性があります。
相手の業態や業種も意識して、わかりやすい文面を心がけましょう。
相手からのアクションを明確にする
返信率を上げるためには、相手にどのようなアクションを求めているのか、きちんと明記することが大切です。「興味があればご連絡ください」といったあいまいな指示ではなく、期限を設定したり、候補日を複数提示したりして、具体的なアクションを促しましょう。
相手からすると、YES/NOの判断がしやすくなり、アポイントや商談につながる可能性が高まります。
営業メールを成功に導くためには?
営業メールのテンプレートが完成したら、大量のアプローチが可能となります。しかし、ただ送っただけでは顧客獲得にはつながりません。営業メールを成功に導くためのポイントを紹介します。
スピード感をもって対応する
営業メールの開封率は、それほど高くありません。また、開封されたとしても、返信してくれるのはほんのわずかな企業です。だからこそ、返信してくれた相手に対しては、スピード感をもって対応することが大切です。
一次受付用の返信文面をあらかじめ作成しておくことで、迅速に対応できるでしょう。ただし、人力ではできることに限界があるため、ツールやシステムを活用しながら、仕組みを整えましょう。
効果検証とPDCAを繰り返す
営業メールは単に送って終わりというわけではありません。効果検証してブラッシュアップしていくことで、より効果を発揮します。
やみくもに送るのではなく、精度の高い見込み顧客リストを作成し、戦略的に営業活動を行いましょう。開封率や返信率などのデータを集め、反応されやすい件名や時間帯などを分析するとよいでしょう。
データを蓄積し、分析することで、より効率よく営業活動を進められるようになります。
ツールを活用する
手動で営業メールを送信していると、宛先間違えなどの人的ミスが発生するリスクが高まります。営業メールを送る際には、メール配信ツールなどを活用して、送信を管理することが大切です。
メール配信に特化したツールもよいですが、SFAやCRMを使用しているのであれば、これらに搭載されたメール配信機能を活用するのもおすすめです。機能はツールによって異なりますが、登録されている顧客情報を使って一斉送信したり、1対1のメール送信ができたりするものもあります。
これらの機能を活用することで、効率よく管理できるようになります。
営業メールの注意点
営業メールを行う際には、誤字脱字といった基本的なミスに気を付けましょう。誰にでも起こりうることなので、チェックリストを作成して未然に防ぐようにしましょう。チェックリストの項目としては「誤字脱字はないか」「メールアドレスが間違っていないか」「添付ファイルの漏れはないか」などです。
また、そのほかにも「特定電子メール法」に違反しないように注意しましょう。特定電子メール法とは、2002年に施行された法律であり、迷惑メールを規制するものです。
特定電子メール法に違反し、改善措置命令に背く場合には、3,000万円以下の罰金が課される恐れがあります。「受信者から特定メール送信に関する同意を得る」「送信者を特定できる項目を表示する」などの要件を押さえて、営業メールを実施しましょう。
まとめ
今回は、営業メールで成功するためのポイントを紹介しました。営業メールは、電話や訪問に比べて一度で大量のアプローチが可能となっています。
しかし、営業メールからアポイントや商談につなげるためには、さまざまなポイントを押さえる必要があります。日々大量に届く営業メールの中で差別化を図るためには「件名」と「送信時間」を工夫することが大切です。
件名は、4Uの原則を意識して、アピールポイントが伝わるように工夫しましょう。また、業務開始直後や昼休み明け、終業直前などの時間帯を狙って送信するのもおすすめです。
これらのポイントを押さえることで、より効果を発揮できるようになるでしょう。